山本剛郎『宝塚市域における村の生活と市街地再開発事業』
4本の論文は、山本さんの残した大事な記録。ここに守られています。
昭和36年に構想され同63年に完成した逆瀬川の再開発事業と、当初の反対姿勢から徐々に賛成に転じていった、旧伊孑志村の関わり。西谷ののどかな農村地帯だった旧長谷村地区に、突然ふってわいた鶴見台住宅地の開発。村民の困惑と入居予定者を襲ったトラブル。関西学院大学の名誉教授で社会学博士、山本剛郎さんの膨大な数の論文の中から、宝塚に関わりのある論文4本を抽出して、1冊とされました。
〈本文の一節〉
昭和43年(1968)、部外の宅地造成会社は、権利者の所有する地区内の山林を買収し、そこに鶴見台と呼ばれる住宅地を建設すべく宅地の造成にとりかかり、翌昭和44年宅地販売を開始した。しかし、宅地購入者にとって不幸なことが相次いで2件発生した。一つは昭和45年、市がこの地区を市街化調整区域に指定したことである。それは、そこに住宅を建設できないこと(宅地化不可)を意味する。…
宝塚市域における村の生活と市街地再開発事業
著者:山本剛郎
制作年:2015年
仕様:B5判 64ページ 平綴じ
著者プロフィール:関西学院大学名誉教授。社会学博士。主な著書に『阪神・淡路大震災の社会学』(全3巻、1999、昭和堂)、『地域生活の社会学』(2001、関西学院大学出版会)、『都市コミュニティとエスニシティ』(1997、ミネルヴァ書房)など。宝塚市在住。(2020年8月)