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2019年10月14日

假家由子『ゆかり 清荒神に住みて』

清荒神に50年、市井の人の記録。この暮らしの記憶は取り換えのきかない唯一無二のもの。尊い…。
昭和42年に移り住んで、清荒神に暮らした50年の町と人の移り変わりを、町の記録として綴った随筆集。最初、書道用の和紙に手書きで記し、布装の装丁に和綴じで手作り本に仕上げられたのですが、やはり活字の方が良いといわれて、手作り版は没に… スタッフの間では断然、手作り版の評判が良かったのですが…
〈本文の一節〉

柿畑の家
一九六七年(昭和四十二年)三月、清荒神に引越してきた。住所は、宝塚市字庵の西 五である。
清荒神駅から参道の東側の坂を登りつめた、柿畑の中の新築の借家であった。畑をひらいて建てた、四軒のうちの二階建て一軒である。平家三軒は通りに面しているが、我家はのちに隣に一軒建つまでは、前も横も畑であった。…

ゆかり 清荒神に住みて

著者:假家由子
制作年:2015年
仕様:B5横判 56ページ 中綴じ
著者プロフィール:昭和42年に引っ越してきて清荒神に住み始める。以来、町の移り変わりを見ながら現在に至る。趣味は俳句。(2020年8月)