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2020年1月2日

池田重義『摂州太田庄奥三十三処順礼和歌 よみがえる元禄の順礼』

元禄時代も今も、願いを胸に人は歩く。ご詠歌を唱え、宝塚市内を歩いた人たちが、かつていたのですね。
西谷・下佐曽利の旧家二井家の戸棚の奥から発見された古びた和綴じの古文書「太田庄奥三十三処順礼和歌」。一番満願寺から始まり、多田院で終わる、既知の「多田庄三十三所」巡礼とは別に、現在は忘れ去られた「太田(ただ)庄奥三十三処順礼」がかつて存在したこと、その巡礼所となっていた寺院とかすかに残るその痕跡をつまびらかにした新発見の研究成果。平成6年発行の私家版の復刻。
〈本文の一節〉

すると、二井家から出てきた「太田庄奥三十三処順礼和歌」は忘れ去られた三十三処の存在を世に問う、新しい発見ではなかろうか。果たして、奥三十三処が存在していたのか、そして、何故忘れ去られてしまったのか。この検証が私の興味を一層掻き立てるものとなった。奥三十三処の検証とは、この文書の信頼を問う、私の三十三所の巡礼の始まりである。…

よみがえる元禄の順礼

著者:池田重義
制作年:2017年
仕様:A5判 108ページ 平綴じ
著者プロフィール:故人。川西市在住(当時)。宝塚市内の学校長を定年退職後、研究員として宝塚市立図書館市史資料室に勤務し、古文書の調査、研究にたずさわり『市史研究紀要たからづか』に2つの論文「下佐曽利村万右衛門-苦悩の軌跡-」「三十三所順礼開設の動機とその展開」を発表。また、私家版として3編の研究を発行。(2020年8月)