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2020年1月2日

八尾幸次郎『かわりゆく宝塚駅前界隈』

町を定点観測してみたら、こうなるんだ。年配の方の回想法にも使えそう。
子どもだった手塚治虫少年が、少年誌をよく買いに来たという「宝塚で最初の薬局」八尾薬局。昭和61年3月に宝塚駅前再開発のため店をたたまれた八尾幸次郎さんが、再開発前に撮影した懐かしい風景と、再開発で町が変わっていく様子を主に自宅近くの国鉄(現JR)をまたぐ陸橋から撮影された写真で綴った記録。
〈本文の一節〉

戎町商店街に生まれ育った私の思い出を記します。
私は、昭和15年生まれで、幼少時代は戦時中でした。栄町の我が家には防空壕(4~6名程入れました)が掘ってあり、隣家との間にも、近隣の方々と協同の防空壕(2m×4m、深さ1m余)がありました。私は幼児でしたので、何の為に防空壕に入るのか理解できず、母を困らせたように思います。昭和19年頃、空襲が頻繁になり、現在、宝塚動物霊園がある場所に監視所があり、監視員が24時間、双眼鏡で敵機来襲に備えていました。我が家にも宝塚海軍航空隊の方々を、毎週末に慰労のため2名程お迎えしていました。

かわりゆく宝塚駅前界隈

著者:八尾幸次郎
制作年:2016年
仕様:B5横判 50ページ 平綴じ
著者プロフィール:昭和15年生、栄町商店街にあった八尾薬局は大正八年に創業した宝塚で最初の薬局。手塚治虫少年が学校帰りに少年誌を買いに来た。(2020年8月)