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2020年1月2日

天野みか『阪神競馬場の馬が住んでいた千種ケ丘』

千種ヶ丘に馬がいた!こつこつと調べた宝塚の「意外史」。知る人ぞ知る宝塚の昔を、クラフト感あふれる一冊にしました。
物置の奥から出てきた数枚の古い写真から始まる昔話。千種ケ丘の住宅地、畝ごと売られていたイチゴ畑、馬の往診…。既に施設の一部は完成しており、東洋一の競馬場が出来るはずだった宝塚ゴルフ場とその周辺は、戦争と敗戦の結果、その未来図が大きく変わっていく。
〈本文の一節〉

「家を片づけていたら、物置の奥から1963年頃の写真が出てきました。
今の地名は千種(ちぐさ)、当時は小林字南畑(おばやし あざ みなみはた)です。
近くのゴルフ場は、春になると青々とした芝生の間からツクシやスミレの花が顔を出して、それはそれは綺麗でしたよ。高圧線の下は緑地帯とされていたので、ここにも花を植えました。緑地帯はその後、法改正で宅地になりました。
最寄り駅の近くは山道のままのごろごろとした岩の急な下り坂で、線路を踏んで渡って、駅の改札口まで歩いていました。そこに踏切があったかどうか、もう忘れましたが、たしか、いま、線路脇に黄色い線が引いてあるあたりと思いますよ。…

阪神競馬場の馬が住んでいた千種ケ丘

著者:天野みか
制作年:2018年
仕様:A5変形判 20ページ 中綴じ
著者プロフィール:図書館にも寄贈いただいた著作はキリシタンに関するもので、別のお名前になっていますので、そのプロフィールからは多くを引用いたしませんが、信仰への真摯な姿勢、人柄が十分に感じ取れます。最初の作品『駅から徒歩5分の名所 カトリック宝塚教会』はマチ文庫講座に全回参加して、仕上げられたものです。(2020年8月)