藤田理代『muguetのあしあと』
ここには、ゆっくりした時間と、住んでいたおばあちゃんの息遣いが残っています。
逆瀬川にある小さなレストランmuguet(ミュゲ)のできるまでの記録。逆瀬川の住宅街にある一軒の古民家は、「私」の大好きだったおばあちゃんの家でした。「この家は壊さずに人に喜ばれる場所として使ってほしい」という生前のおばあちゃんの言葉から、GALLERY+CAFE muguetに再生されました。muguetはスズランの意味です。「本を作る」講師をしていただいていた、藤田さんの制作。正方形で和綴じの手作り本です。手作り作品のため貸出用はありません。
〈本文の一節〉
祖母が元気だった頃、私にとってここは大好きな「おばあちゃんの家」でした。
約3年経ってここは、今は私にとって毎日楽しく働いている場所
「muguet」に変わりました。
少しでもたくさんの方にこのお店に込められた色んな思いを
知っていただけたら嬉しいなと思いこの本を作りました。…
muguetのあしあと
著者:藤田理代
制作年:2015年
仕様:A5判 36ページ 和綴じ
著者プロフィール:ZINE作家。29歳で絨毛がんを経験し、患者や家族の「大切な記憶」を交わすための手製本の制作・展示活動をはじめる。病院や地域で本づくりの移動アトリエ「記憶のアトリエ」をひらきながら、患者や家族、医療者が想いや記憶を交わすきっかけづくりを続けている。(2020年8月)