山崎利恒『幻の米谷城 米谷村・川面村・清荒神と中山寺』
宝塚の「遠野物語」。かもしれない。不思議な話も。
清荒神(旧米谷村六軒茶屋)の江戸時代から続く「山崎医院」の先代の医師山崎利恒さん。その山崎さんが生前に残された、幾多の文章の中から、米谷、川面の歴史について書かれたもの5編。「幻の米谷城」「米谷村」「川面村」「清荒神と中山寺」と、米谷近辺で往診をされている時に経験されたり、耳にされた不思議な経験をまとめた「霊魂は実在するか」を、保存されていた、ご子息で現院長の山崎之嗣さんにお借りし、説明していただいて復刻しました。
〈本文の一節〉
今より約千年の昔、藤原氏が京都に於て権勢を恣にしていた頃、源満中(九一二~九九七)は多田にあって鎮守府将軍となり、周辺に多数の城を築いて都(京都)の守りを固めていた。この附近でも生瀬城、米谷城、池田城、山本城、越水城(西宮)、高尾城(芦屋)等の諸城があった。
私が米谷の古地図を調べるうち、米谷城の存在を知るようになった。通称「前原」と云う山の頂上に三百~五百平米程度の平地が三段に連っているのを発見し、これが米谷城の狼煙場であったことを推断し得るに至った。…
幻の米谷城
著者:山崎利恒
制作年:2015年
仕様:A5判 40ページ 中綴じ
著者プロフィール:清荒神の江戸時代から続く「山崎医院」の先代の院長。明治43年生まれ。医院を現院長の山崎之嗣氏に譲られた後、医学とその歴史に関する研究や山崎家の先祖に関する研究、米谷を中心とした宝塚の歴史に関する研究を中心に、多くの貴重な文章を遺す。(2020年8月)